拳のようなロッカーカバー「ナックルヘッドエンジン」誕生

3月 20, 2016 - masato

Comments are off for this post.

ハーレーの新たな挑戦

現在では世界を代表するバイクメーカーとして成長を遂げたハーレーですが、非常に過酷な時代を生き抜いてきたからこそ、現在の栄光があると言っても良いくらいに苦難を乗り越えてきた歴史があるメーカーです。
ハーレーが大きな危機にみまわれたのが、世界的に大きな衝撃を与えた世界恐慌の発生です。
世界中の経済界に大きな影響を与えた世界恐慌はハーレーも例外なく悪影響を与えました。

世界恐慌が発生する直前にフラットヘッドエンジンを搭載した30VSを発売し、自動車ディーラー向けに開発した3輪バイクのサービカーを発売するなど新規開拓を試みていたところに世界恐慌の発生による大打撃を受け、生産台数を減少させる結果になりました。
この不況を何とかして乗り越え、ライバルメーカーにも負けない製品を開発しなければいけない!との使命に燃えた当時のエンジニア達は、満を持してナックルヘッドエンジンの開発に成功したのです。

ハーレー伝説の幕開け

拳のようなロッカーカバーのナックルヘッドが誕生したのは1936年のことです。
パッと見た印象が握り拳のように見えることから名付けられたナックルヘッドは、ライバルメーカーであるインディアンを強く意識して、ライバルに負けないエンジンを開発しようという強い思いを抱いて誕生したものです。

当時発売されたELモデルの排気量については1000ccでした。
この時からシリンダーの上にバルブを設置する構造になっているオーバーヘッドバルブと呼ばれる形を採用することになり、燃焼効率が更に高まる結果になりました。
オーバーヘッドバルブ機構は現在でもハーレーの車種に引き継がれているもので、ハーレー伝説の一つはここから始まったと言えます。

これまではライバルメーカーのインディアンが圧倒的に優位に立っていましたが、ナックルヘッドとオーバーヘッドバルブが登場したことによってパワフルで早いバイクはハーレーダビットソンというイメージが強くなったことでカリフォルニアのハイウェイパトロールにナックルヘッドが採用されることになりました。
1939年には最高220キロという速度をデイトナの砂地で記録したことにより、インディアンが守り続けてきた記録を打ち破ることに成功しました。
この頃から少しずつインディアンの業績に陰りが見え始めて、ハーレーの業績が伸び始めるという明暗がはっきり分かれるようになってきたのです。

世界的な動きとしては、この頃に第二次世界大戦が勃発し世界情勢が不安定な時期に突入しました。
ハーレーはナックルヘッドとフラットヘッドの開発に成功したことで業績を伸ばしつつあるなかで、軍用バイクの開発も同時に手掛けることになりました。
道路が荒れた戦場でも問題なく走行できるようなバイクを開発する流れに変化していきました。

Share this article

masato

はじめまして!ハーレーマニアのmasatoです! まだまだ勉強中ですがハーレーの魅力や情報をご紹介します! Twitter@<a href="https://twitter.com/masato88850739">https://twitter.com/masato88850739</a>